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「よう、久しぶりだな」
金色の髪、輝く白い肌、青い瞳。配色は黄二と似ているが光の強さが違う。体の大きさも違う。そして顔立ちも。
「ご無沙汰しております。金龍さま」
「おいおい、随分他人行儀だな。2人きりの時は敬語を使わないって約束だろ?」
目の前まで接近してきた人影がしゃがんで顔を覗き込んでくると、黄二は笑顔を作って顔を上げた。
「そうだったね。何しろ久しぶりだから、立派過ぎて驚いちゃった。さっきまで似た顔の子に会ってたし。彼、来たよ」
「ああ」
「全部予定通りってわけ?」
「全部じゃねー、大体だ。戦士は人間だし、銀龍は読めない」
「そうかな。案外似てると思うけどね」
「俺と銀龍が? 冗談だろ」
「銀龍は、人間界で育った貴人を妻にしようとしてるよ」
「そいつは菖蒲か? それとも……椿か?」
意外な質問をされて、黄二は目を見開いた。
「紫龍になった後、ここへ来たの?」
「ああ。紫龍モードも作っといたぜ。呼び出す方法は――」
「いいよ。紫色の金龍なんて見たくない」
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