第24章 堕ちてきた天使

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幻の金龍は、黄二の話を在りし日と同じ表情、同じ相槌で聞いていた。そして一通り話し終えた黄二がアドバイスを求めると、うーんと唸ってから答えた。 「今の所問題ないんじゃないか? 行き詰まったらまたここに来いよ。今度来るときはちゃんと体力つけてこい」 幻の体でも交わることは出来る。ただし、感触だけで実際に体液を得ることは出来ないから、激しく体力を消耗する。久しぶりに金龍に抱かれたりしたら、幻であることを忘れて夢中になって衰弱死してしまうかもしれない。 「それも幸せかもしれないけど……まだ遠慮しておくよ」 黄二は床にしゃがみ込んで金のプレートを撫でた。すると金龍の姿は跡形もなく消えてしまった。 「さて。仕事を続けるか」 フウと息をつくと、黄二は一郎を残してきた部屋に戻って行った。
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