第26章 貴人の学校

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最初は遠慮したが、好奇心が勝って少しだけ口にしてみると本当に美味しくて、そのまま続けて食べていると、突然苦しくなった。 慌てずに様子をみていれば恐らくすぐに落ち着いただろうが、そういう知識はないくせに体液に治癒効果があることは知っていた黒い生徒は、赤二を抱いた。苦しそうだった赤二の声が艶めかしく変化すると、心配そうに見守っていた生徒達も加わって乱交になり、黒い龍の肉を食べた上に黒い男達の体液を大量に注ぎ込まれた赤二は、すっかり黒く染まってしまった。 「おまえは赤龍と全く似てないな。本当に弟か?」 「そうですね。決して嫌いではないですが、兄は苦手です。こうして黒龍様とお話している方が落ち着きます」 それを聞いた黒龍は、赤二の顎に手をかけて親指で唇を撫でながら、その顔を覗き込んだ。 「可愛いこと言うじゃねーか。俺を上機嫌にして何を聞き出す気だ?」 「兄から変わった貴人を預かりました。龍王様が大事になさっている貴人の息子だというのですが……」 「なんだって?」 自分の龍を殺した戦士の顔を思い浮かべた黒龍は、思わず赤二の顎を掴んだ手に力を込めた。 「黒龍様、痛いです……」 「ああ悪い。俺は聞いてねえぞ。赤龍のやつ、いつの間にあのガキ捕まえたんだ?」 「菊をご存じなのですか?」 「菊っていうのか。椿の息子だっていうなら間違いない。人間界から龍を殺しに来た剣の戦士だ。俺の子はあいつに殺された」 「剣の戦士?」
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