第26章 貴人の学校

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赤二が黙っていると、黒二は直接体に聞いてきた。黒い指が褐色の肌を滑り落ちて敏感な場所に達すると、赤二は立っていられなくなり黒二に抱きついた。 「やはりおまえは、男が好きだな。こんな体になったのは、おまえ自身のせいだ。そうだろう?」 黒二の言う通りだった。でもそんなこと、恥ずかしくて言えない。 「私が欲しいか?」 唇に黒二の熱い息が掛かった。興奮した黒い男の体臭を感じる。生徒とは違う大人の匂いだ。 「どうした、止めるか? もうこれ以上、黒くなりたくはないか?」 黒二が焦らして離れようとすると、赤二は追いすがった。 「欲しいです。あなたが欲しくてたまりません。黒くなっても構わないから、どうか……」 言っている自分が情けなくなって途中で泣き出してしまうと、黒二は急に優しくなった。 「いい子だ。安心しろ。赤龍様には、ばれないようにする」 赤二を抱きながら、黒二は拡散していた黒を目立たない場所に集めてくれたので、赤二は赤い龍人らしさを取り戻したが、それは見た目だけだった。そして学者の顔に戻ると、黒二は赤二に提案した。 「こんなに素直に男に染まる体は珍しい。どうだ、丁度半分まで染めてみないか?」 どう答えていいかわからず、赤二が困惑していると、黒二は彼を抱き寄せて囁いた。 「赤も黒も両方強くするんだ。そうすれば君は赤と黒の龍の親になれる」 「赤と黒の龍?」 「赤い龍の翼で空を舞い、黒い龍のヒレで水中を泳ぐ龍だ。滅多に産まれない貴重な龍の目で世界を見てみないか?」
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