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「はあ……」
まだ赤い龍の子供さえいなかった赤二には、それがどんなに凄いことなのかわからなかった。そして深く考えずに黒二に身をゆだね続けて数年経ったある日、黒二はいつも二人で会う部屋に貴人を連れて来た。
「やっと見つかったよ」
「何の話ですか?」
戸惑いながら見知らぬ貴人と視線を合わせると、彼の方から近づいてきた。
貴人は男と違って全身龍の色をしているわけではないが、特別な色の男を受け入れることが出来る貴人には、生まれつき髪や目などにその色が現れる。
しかし彼は浅黒い肌にダークブラウンの髪、緑の瞳というごく一般的な配色だったし、身につけている服も質素で、高貴な男の妻やその候補である学生には見えなかった。それなのに彼は一目で隣国からの貴賓とわかる赤二を臆することなく見上げると、信じられない言葉を吐いた。
「こいつを吸収すれば強くなるって? なんか弱そうだけど」
慎ましやかな貴人にしか会ったことがなかった赤二が驚いて呆然としていると、彼はにやりと笑って続けた。
「あんた、貴人に食べさせるより、男を貪る方が好きなんだって?」
赤二が何も答えられずにただ眉を顰めていると、少し離れた場所から二人を見ていた黒二がやって来て赤二を背後から抱きしめた。
「あんまり虐めるな。可愛いだろ?」
黒二は貴人に見せつけるように赤二の髪をかき上げて項に口づけると、赤二の服を脱がせ始めた。
「黒二様?」
戸惑う赤二に更に貴人の手も伸びてきて、抗う間もなく赤二は裸にされてしまった。
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