第26章 貴人の学校

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それが亡き妻、檜扇との出会いだった。共に暮らし、何度も食事を与え、互いを理解し愛し合っていると思っていたのに、彼は独りで死んでしまった。 「おい、聞いているか?」 「あ、すみません。なんでしょう?」 現実の黒二の声が、赤二を回想から引き戻した。 出会った頃に比べれば赤二はすっかり大人になり体格も色も変わったが、まだ黒二には敵わない。 「今、食事は赤と黒の龍だけか?」 「はい。食べてやらないと暴れるので……んあっ」 上から順番に赤二の体を調べていた黒二の手が、敏感な場所に降りてきた。 「人間界から来た貴人と婚約したそうだな。俺に聞きたいっていうのは、そいつのことだろう?」 「あ……はい……」 「彼は食事の後、変化したか?」 「いえ……まだ食事を与えては……ん……怪我の治療で血は……飲……」 「おまえの血を飲めたのか」 「ええ……それは……問題なかっあっ……あっ、黒二様……」 赤二の男性器を愛撫していた手を後ろに滑らせて、そこが貴人のように濡れているのを確認した黒二は、無表情だった唇を少しだけつり上げた。 「検査の為に体液を取るだけ……では不満か?」 「いえ、そうではなく――ああっ!」
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