第4章 花咲く白い肌

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「気になるか?」 一郎は次郎を見詰めて腰を振りながら答えた。 「あいつ等は当分使えない。おまえだけが頼りだ」 「一郎様……」 次郎は歓喜に震え、愛する人の名を呼びながらその背に腕を回し、そこに刻まれた龍を指でなぞった。 一刀両断された龍。刀の戦士の証だ。 それは他の戦士の証より大きく深く刻まれているが、今は静かに眠っている。 戦闘を促す際に赤く腫れ上がるその印は一度刻まれれば消えることはないが、普段は皮膚の下に沈み褐色に見えるだけだ。 しかしそれとは別にもう一つ、戦士達の体を飾る印がある。 戦士達の体は、龍人達の世界に近いこの場所に入ると大きく変化する。それを告げる印は、その変化した体が興奮した時にだけ戦士の証を中心に現れる。次郎は、一郎の体に龍より濃く浮かんでいる筈のその印を撫でた。 満開を過ぎ、散り始めた桜の一枝。淫靡な興奮が浮き立たせる一郎の印だ。 初めて目にした時にはその美しさに感動したが、一郎は龍よりも花が目立つ背中を見られることを好ましく思っていない。それに美しい花は、同時に弱みでもある。花の色に染まった肌は一際敏感だ。そこに触れられると、一郎は悩ましい声を漏らした。次郎は益々興奮し熱くなった一郎の体に、ぴったりと抱きついた。一郎は、そんな次郎の長く美しい髪をかき上げて、その耳に軽く口付けながら囁いた。 「もっと奥に欲しいか?」 「はい……欲しいです。奥まで突いて下さい」 熱い吐息と共に次郎が素直に答えると、一郎は次郎から少し上体を離し、両足に手を掛けた。
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