第27章 剣術

9/23
前へ
/962ページ
次へ
話しているうちにどんどん息苦しくなってきて、三郎はその場に崩れた。 「菊!」 「大丈夫。大丈夫だよ、これくらい」 抱き起こそうとした赤二を制して自分で呼吸を整えると、三郎は立ち上がって着物を脱ぎ捨てた。 「彼の代わりに俺が赤二の妻になる。死なずに赤と黒の龍を産んでやる。そうしたら赤二はもう苦しまなくて済むだろう?」 力強く赤二を見つめる三郎の体には、既に菊の花が咲いていた。 その艶やかでかつ凜々しい姿に出会った日の檜扇を重ねて呆然としていた赤二は、三郎に押し倒された。 「ていうか俺、腹減ってるんだ。今日剣術やったし、もう限界だよ」 「剣術を……学校で?」 「ああ。俺才能あるみたいだ」 得意げに笑いながら、三郎は赤二の服を脱がせたが、赤二の体は全く興奮していなかった。しかし三郎はめげずに愛撫を始めた。 「俺じゃ感じない?」 慣れてはいるようだが上手くはない。それでも一生懸命奉仕する姿はいじらしいが、他の男の影が見える。これでは益々やる気が失せる。 「そんなんじゃダメだ」 赤二は愛撫をやめて顔を上げた三郎の体を引き上げ、反転させて組み敷いた。 「俺の男を起こしたいなら、おまえが先に俺を感じて見せろ」
/962ページ

最初のコメントを投稿しよう!

227人が本棚に入れています
本棚に追加