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「上を見てみろ」
天井の大きな鏡が、裸の2人を映している。赤二が隣にいるので小さく華奢に見えるが、確かに少し身長差が縮まった気がする。三郎は飛び起きて体を動かしてみた。
「どうだ?」
「うん、なんか良い感じ」
「そうか。じゃあ行ってみるか」
「どこへ?」
赤二は転送紋を描くと裸のまま三郎を連れて移動した。着いたのは、何もないがとても広い部屋だった。
「ここ……何?」
三郎が高い天井を見上げながら尋ねると、赤二は下を指さした。
「そこの円の上に立ってみろ」
「え、ここ?」
言われた通り床に描かれた円の中に立つと、円柱状の壁に囲まれ、そこから全身に何か吹き付けられた。
「うわっ」
思わず目を閉じ身をすくめたが、それはほんの一瞬で終わり、壁も消えた。全身覆われた気配に腕を上げてみると、銀色になっていた。腕だけではない。足先まで全て銀色だ。それに視界が狭くなった。どうやら頭も覆われているようだ。
「よし、じゃあこれを持て」
突き出されたのは剣だった。授業で使った剣よりずっと長くて重い。
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