第27章 剣術

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「ここって道場なの?」 「ああ。超上級者用の訓練場だ」 「超上級!? 俺まだ初級だよ?」 「初級用の装備はない。その先の線を越えるとレベルにあった相手が現れる。最も低レベルでも超上級クラスの最下位になってしまうだろうが、とりあえずやってみたらどうだ? 初級のルールは知らないが、超上級では下腹部以外どこを狙ってもかまわない。同じ場所に3回当てれば勝ちだ」 「わかった。やってみる!」 三郎は剣を握りしめて線を越えた。すると三郎と同じ銀の防具を身につけた剣士が現れた。学校の授業で対決した映像よりずっとリアルだが、初級の防具と違って顔を覆う面も銀色なので表情が全くわからず人間味は感じられない。級友と戦うよりずっと気は楽なので三郎は思いっきり剣を振り下ろしたが、素早くかわされてしまった。何度も何度もかわされて、それでも攻め続けてやっと一撃を与えたと思ったら返り討ちにあった。そして三郎が体勢を立て直して再び攻撃しようとすると相手は剣を下ろした。 「え?」 「終わりだ。脇腹を見てみろ」 赤二に言われて左腕を上げてみると脇腹がむき出しになっていた。 「なんで? まだ1回しか――」 「軽すぎて最初の1回しか感じなかったかもしれないが、3連打されていたぞ。ほら」 目の前に先程の映像が映し出された。ゆっくり再生してみると確かに3回当てられている。 「速い……」 「おまえの攻撃が無駄に大きすぎるんだ。相手を斬り倒す必要はない。防具を剥ぎ取るだけだぞ?」
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