第4章 花咲く白い肌

9/10

225人が本棚に入れています
本棚に追加
/962ページ
「ああっ!」 開かれた太股の内側。そこに次郎の戦士の証がある。 矢で貫かれた龍だ。龍は次郎の秘所に頭を向け、舌を出している。 一郎は、その龍の舌を近づけるように、ギュッと掌で次郎の太股を押した。 「この龍は、まるで生きているようだな。射貫かれてなお、おまえを狙っている」 その龍を一撫ですると、一郎の指はもう一つの印の方に移動した。 次郎の肌にも、やはり興奮すると花が咲く。肌を桜色に染めて描き出される一郎の印とは違い、それは真っ白な肌を生かして輪郭を濃く赤く刻むことで描き出される白百合の花だ。気高く咲き誇る百合の花もまた、興奮を促すスイッチになる。 放置されているはずの次郎の男性自身から、熱い液体が流れ落ち始めた。それに気付いた一郎は、太股を弄っていた掌をそちらに移動させた。 「ああっ! ダメです、一郎様――!」 一郎の掌で包まれると、次郎はすぐ大量に放出してしまった。 すると一郎は意地悪く微笑みながら、次郎に向かって濡れた掌を開いた。 「また先を越されたな」 「申し……訳あ……りませ……ん」 恥ずかしさが、既に上り詰めた筈の体を再び興奮させる。次郎はギュッと目を閉じた。 「いや、感心してるだけだ。真弓の家の教育に。それとも……」 一郎は濡れていない方の手で次郎の顎を掴むとその顔を覗き込んだ。 「生まれつきか?」 問いかける一郎の吐息が唇にかかる。次郎は閉じていた長い睫を上げた。
/962ページ

最初のコメントを投稿しよう!

225人が本棚に入れています
本棚に追加