第27章 剣術

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金龍の時代でさえ限られた者しか手にすることは出来なかった貴重な果実だ。その時代にはまだ長ではなかった赤龍はたった一度しか食べたことはない。 「本物か?」 「はい。どうぞ召し上がってみてください」 赤龍は素直にリンゴを囓った。滴り落ちる雫まで黄金に光り輝いている。確かに本物だ。 「お味はいかがですか?」 「うん、美味い。昔食べた時にはもう少し淡泊な味だった気がするが……」 「ああ……シロップを注入してあるので……」 「そうか……うん?」 一気に食べてしまってから、赤龍は体に異変を感じた。 「どうしました?」 「シロップって……まさか……」 「ええ。赤い龍人にも効く媚薬です」 カンナは興奮して火照っている赤龍を裸にして寝かせると、満足げに見下ろした。 「ああ凄い、効果覿面ですね」 「なぜこんな……ああっ!」 カンナは荒れ狂う赤龍自身を己の体内に押し込んだ。 「菊を連れ帰ってからずっと食事の時も上の空ではないですか」 「菊は……赤二の婚約者だ、俺は……」
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