第4章 花咲く白い肌

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「私は……一郎様にお仕えする為に生まれて参りました」 感じて潤んだ瞳で見詰めながら、次郎は答えた。 一郎は唇の端を上げて微笑むと、次郎から視線を外して呟いた。 「その台詞、三郎に言わせてみたいものだな」 次郎の火照った体に、一瞬冷たいものが走った。 剣崎三郎(けんざきさぶろう)。次郎とは正反対の少年。 次郎が満開の花だとすれば、三郎はまだ硬い蕾。一郎は、その蕾が放つ微かな芳香に惹かれているようだ。 妻でも恋人でもない自分に、それを責める権利はないことはわかっている。 それでも胸は痛む。 胸の痛みさえ、本来許されることではないけれど、どうすることも出来ない。 次郎は無意識に、一郎の背に爪を立てた。 「一郎様――」 そんな次郎の気持ちを知ってか知らずか、一郎は、苦しそうに自分の名を呼ぶ次郎の唇を優しく唇で塞いだ。
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