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そして数時間眠った後、三郎は目覚めた。
五郎が言った通り、城には朝が来て部屋に光が差し込んでいる。
「お早う。よう眠れたか?」
すぐ目の前に四郎の顔があった。驚いた三郎は、思わず叫んだ。
「何してるんだよ!」
「まだ何もしてへん。後3秒待って起きなかったら起こそう思うてた。ちなみにおまえが今裸同然なのは、自分の着付けと寝相が悪いせいや」
「え?」
言われて我が身を見下ろすと、確かにすっかり浴衣が肌蹴ている。
「三郎、おまえ褌の締め方間違うてないか? ちょい立ってみ」
三郎が素直に立ち上がると、四郎は三郎の褌を解いた。
「あ、こりゃ収まり悪くて当然やな」
「え?」
まだ半分寝ぼけていた三郎は、再び我が身を見下ろすと、浴衣の前を合わせて四郎の視線を遮った。
「トイレ何処?」
「こっちや」
四郎に案内されて用を済ませると、廊下で待っていた四郎はその場で三郎に褌をつけ始めた。
「ええか、これをこう結んでやな――」
「ちょっ、くすぐったいよ!」
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