225人が本棚に入れています
本棚に追加
/962ページ
「うん? ここ感じんのか?」
「ふざけるな、自分でやる!」
四郎はあっさり引き下がって三郎が不器用に褌をつける姿を眺めた。
「あーあ、それ戦闘中に解けるで。フルチンの戦士てカッコ悪ぅ」
「うるせーな、じゃあ見本見せろよ」
「俺の褌見せろて? サブちゃん、いやらしいわ」
そう言いつつ四郎は袴を脱ぎ、褌も解いて三郎の横に立った。
「ほな最初からやるで」
2人は並んで褌をつけた。今度は三郎もしっかりつけることが出来た。
「どうや。これで戦っても安心やろ」
教えてやったと得意気に見下ろす四郎に向かって、三郎はフッと笑って呟いた。
「俺の方がデカイな」
勝ち誇った様に下半身を見下ろす三郎の視線に、四郎は思わず股間を覆った。
「ほんま、ムカつくガキやな。俺はな、おまえが一人じゃ可哀想や思うて子守り引き受けたんやで?」
「子守り? この城に子供なんているの?」
「アホ、おまえのことや。俺とおまえは、留守番や」
「はあ、俺が子供? 留守番って、他の奴等は何処行ったんだよ」
「お仕事や。赤い谷のお掃除に出掛けはったわ」
最初のコメントを投稿しよう!