第30章 黒い国

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「聞いた話だけど、百合さんの花、最初に咲くのは太ももの内側らしいよ」 「ちょっ――黒百合?」 上着を脱いでくつろぐだけかと思って見ていた三郎の目の前で、黒百合は全裸になってベッドに腰掛けた。 「俺もそうなんだ。ほら見て、咲いてるだろ?」 黒百合はゆっくり片足を上げて見せた。足の付け根に咲いた黒百合の花と、興奮しきった黒百合自身を見た三郎は、自分の体に起こっている変化をようやく自覚した。 「このお茶……そういうこと?」 尋ねながら服を脱ぎ始めた三郎に、黒百合はにっこり笑って答えた。 「ああそうだよ。食事にはならないけど、ちょっとだけ満ち足りた気分にする行為。貴人同士で交わるのがお茶会だ。君は赤い国の貴人だから少し強めに調合したんだ。俺、同じお茶飲んじゃったよ。助けて」 一輪だった花の茎が足に絡まるように伸びて次々と新しい花が咲いていく。三郎は制服を脱ぎ捨ててその足を掴むと、体をたたき付けるように自身を黒百合の秘所に埋め込んだ。 「ああっ、そんないきなり――!」 「早く欲しかったんだろ?」 三郎は、恥ずかしそうに顔を背ける黒百合の頬を押し戻して口付け、舌を絡めた。そうして口をふさいでいても腰を動かす度うめき声を上げる黒百合に、三郎は益々興奮した。黒百合はしばらく好き勝手に貪られていたが、やがて唇を解放されると眉を寄せて訴えた。 「なあ、君は男じゃないんだから、あんまりやりすぎるとかえってお腹が空いちゃうよ」 「もう止めたいの? そっちから誘ったくせに」 「そうじゃなくて――ああっ!」
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