第30章 黒い国

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三郎は更に激しく黒百合を攻めた。そして連続して上り詰めた後、ようやく落ち着いて息を整えながら、苦しげな表情で目を閉じている黒百合を見下ろしてハッとした。 「大丈夫?」 「え……ああ……落ち着いた?」 黒百合が目を開き弱々しく微笑むと、三郎は慌てて謝った。 「ごめん、俺またやっちゃった」 「また? お茶会は初めてじゃないの?」 「え?」 呆然とした三郎を見て、黒百合は思い出した。 「そうか。君は昔の記憶がないんだっけ。確かに初めてじゃなさそうだ。むしろ貴人を抱くのが大好きみたいだね」 こういうことは初めてじゃない。具体的な記憶は何もないが、そう考えれば納得出来る。 「ああ……そうかも。あの、とにかくごめん、もう二度と――」 黒百合は詫び続ける三郎を抱き寄せて軽く口づけて言った。 「またしよう。俺こういうの別に嫌いじゃない」 三郎が唖然とすると、黒百合は笑った。 「でも驚いた。君ってほんと面白いね」 そう言われると、三郎はかえって落ち込んだ。 「俺、やっぱ変だよね」
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