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三郎は更に激しく黒百合を攻めた。そして連続して上り詰めた後、ようやく落ち着いて息を整えながら、苦しげな表情で目を閉じている黒百合を見下ろしてハッとした。
「大丈夫?」
「え……ああ……落ち着いた?」
黒百合が目を開き弱々しく微笑むと、三郎は慌てて謝った。
「ごめん、俺またやっちゃった」
「また? お茶会は初めてじゃないの?」
「え?」
呆然とした三郎を見て、黒百合は思い出した。
「そうか。君は昔の記憶がないんだっけ。確かに初めてじゃなさそうだ。むしろ貴人を抱くのが大好きみたいだね」
こういうことは初めてじゃない。具体的な記憶は何もないが、そう考えれば納得出来る。
「ああ……そうかも。あの、とにかくごめん、もう二度と――」
黒百合は詫び続ける三郎を抱き寄せて軽く口づけて言った。
「またしよう。俺こういうの別に嫌いじゃない」
三郎が唖然とすると、黒百合は笑った。
「でも驚いた。君ってほんと面白いね」
そう言われると、三郎はかえって落ち込んだ。
「俺、やっぱ変だよね」
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