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「国をまたぐゲートを開けるのは権限を与えられた男だけなんだよ。通常長と副長ね。君は赤二様と暮らしているから大丈夫だと勝手に思ってた。赤龍様に開けて頂くしかないな。大丈夫?」
「どうだろう。そんなお願いしたことないから……」
三郎はしばしゲートを見つめたが考えていても仕方がないと決心してゲートに入った。すると何もない空間で止まった。
『誰だ』
赤龍の声だ。あまり機嫌が良さそうではない。
「菊です」
『どうしてそこにいる』
「友達の家に招かれて――」
『そいつの保護者は誰だ』
「え……あっ、黒五さんって方です」
『知らないな』
三郎は冷たい返事に不安になったが、その直後、目の前が開けて赤い国のホールに出た。ホッとして顔を上げると、赤龍が腕を組んで立っていた。
「勝手に他国に行ってはいけないと学校で習わなかったか?」
「習ってません。知りませんでした」
「そうか。なら悪いのは蘭だな」
「先生は悪くありません。誰か悪者になる必要があるなら俺がなります」
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