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「分相応てホンマやな」
しかし、三郎が龍に向かうとすぐにもう一体、同じ灰色の龍が現れた。
「チッ!」
一匹の背中に乗っても、もう一匹の龍の攻撃にあう。なかなか止めを刺す所まで行けない。
「見てられへんな」
加勢しようと四郎は場内に踏み込んだ。すると強い風が起こった。
「うわっ、やってもーた」
また一匹龍が現れた。青みがかった灰色で、少し大きな龍だ。
「人間で言うたら中学生くらいか? うわっ!」
青っぽい龍は、口から青い火の玉のようなものを吐き出した。なんとか避けた四郎に青く長い爪が襲い掛かる。四郎はそれも避けようとしたが、ふと思いついて体勢を変えるのを止めて、そのまま足を踏ん張って龍の爪を体で受け止めた。
「ぐはっ!」
三郎は驚いて振り向いた。
「おい!」
しかし、四郎は無傷だ。
「痛てえ……けど……」
なんともない。一瞬かなり鋭い痛みが走ったけれど、無傷だ。
「三郎、攻撃かわさんでも平気やで。って、イッテー」
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