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「はい。先に銀龍様にご相談いたしまして、一つ提案があるのですが……」
「銀龍様に?」
「ええ。ですから既に許可はいただいております。後は赤龍様と赤二さんのお気持ち次第です」
「何? もしや赤と黒の龍に――」
「はい。専用の餌場を造ってはどうかと」
さっきまで一緒にいたのに黒二から話を聞いていなかった赤二が驚きつつ黙っていると、黒二は赤い目でじっと赤と黒の龍を見詰めて言った。
「その子はまだ成長過程です。これから先益々谷の気を乱すでしょうが、それを責めては可愛そうだ。この子はきっと強くなる。強くなって、世界を守りますよ」
「それは赤と黒の国を造るということか? それとも――」
「まだ国は早いでしょう。あくまで餌場です。今なら境界の地には戦士は1人しかおりません。赤龍様と黒龍様にご協力いただければ容易に餌場が造れるかと」
「俺に黒龍と共に仲良く餌場を造れと言うのか?」
「はい。それとも赤二さんお一人に任せますか?」
「おまえが手伝えばいいだろう」
「私は長になったばかりで黄色い国のことで手一杯でして。それに灰色の沼の方しか手伝えません。赤い谷は私には――」
「本当にそうか? 本当は俺に匹敵するくらい赤い力も隠し持っているのではないか?」
「まさか。ご冗談を」
「ならば自由に出入りできる赤い谷を造って赤い力を得る気か」
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