第31章 密室の男達

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金龍の男性器は一郎の中に入ると更に太く長くなり、各国の長も触れなかった体の奥深くまで届いた。その初めて触れられた場所にも、入り口にも、その途中にも快楽のツボがある。その全てを同時に擦り揚げられた一郎が失神しかけると、背後の壁が迫ってきて背中を支えた。しかし柔らかく受け止められてホッとした次の瞬間、触手のように変形した壁の一部が腕に巻きつき、背後の壁がマッサージ器のようにうねり始めた。 「あー、ああ、あーっ、あー!」 もう何も考えられなくなり、一郎は全身で感じ始めた。すると背中にだけ咲いていた桜の花が徐々に枝を伸ばし腕や足、胸にまで咲き始めた。 「大分いい感じになってきたな。おまえも見ておくといい。おまえの体に花が咲くのは、恐らくこれが最後だ」 後ろに縛り付けられていた腕が左右別々に吊り上げられると同時に、背後の壁が退き部屋一面が鏡になった。そこに、まるで一本の桜の木になってしまったかの様な一郎の姿が映し出された。感じて身をよじる度に枝が揺れ、花びらが散る。実際のさくらの木と違うのは散ってもまたすぐに次々と花が咲くことだ。 一郎は、金龍の体液を流し込まれる快感を味わっていたが、それは所詮幻なのでエネルギーに変換出来ない。ただ激しい運動を続けているだけの体が限界に近づいているのを感じ取ると、金龍は彼を解放した。 「おい、寝るな。褒美をやるぞ」 金龍に抱き上げられた一郎が閉じてしまいそうな目を必死に開くと、金龍はその目の前に複雑な転送紋を描いて見せた。 「行け。金の龍はそこにいる」 まだふらつく足で立ち上がり着物を着た一郎が、幻の金龍に一礼して転送紋の中に消えると、金龍の姿も消えた。 その一連の出来事は、一郎に首輪を付けていた黄二と、その黄二に首輪を付けていた銀龍に見られていた。そして銀龍に一郎との共感覚を最大値に固定されて性欲を押さえられなくなった黄二は、もう1人その場にいた男に抱かれていた。 死んだと思われていた男、黄龍だ。
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