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地位は自分の方が上だが、学生時代に世話になった恩師であり豊富な経験と知識を持つ黄二を黄龍は尊敬している。銀龍の命令とはいえ、その黄二の乱れた姿に興奮し求められるままに抱いてしまった黄龍が黄二の後ろ姿を見詰めていると、泣いていた山吹が顔を上げて尋ねた。
「ねえ、僕たちここに閉じ込められたの? 戦士に協力した罰?」
「ああ。もう余計なことをするなってことだ。山吹、君にも色々辛い思いをさせてしまったね。疲れただろう? ちょっと眠るといい」
山吹を寝かしつけると、黄龍は通信機で青二を呼んだ。
『黄龍、無事なの?』
「ああ。おまえこそ大丈夫か? 今そっちに桜が行っただろう?」
『うん。どうして――』
「桜は黄二が見守っているから独りにして大丈夫だ。俺の所に来い。そこには貴人もいるんだろう? その子まで餓死させてしまうぞ。早く俺の城に来い」
しばらく待つと、桜と話をして納得した青二が光を連れて現れた。
「黄龍、何がどうなってるの? 君の城に行ったらいきなり知らない人に転送紋に落とされて……」
戸惑う青二に、黄龍は言った。
「城にいたのは恐らく黒二だ。今黄色い国の長は俺じゃなくて彼なんでね」
「えっ……それって……」
「俺達はしばらくここに監禁されるようだ。詳しく説明する前に、その可愛い人を紹介してくれ」
青二は彼以上に戸惑っている光の肩を優しく抱いて紹介した。
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