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「彼は紫陽花。戦士ではないけれど、人間界で育ったんだ。紫陽花、この人達は人間の言葉がわかるから挨拶しなさい」
「はじめまして。青二さんにお世話になっている紫陽花です。よろしくお願いします」
光が挨拶すると、黄龍は優しく微笑んで答えた。
「よろしくね。俺と青二は学生時代からの付き合いで、黄二さんは俺達の先生だった人だ」
「黄二です。僕は人間界にとても興味があるんだ。後で色々話そうね」
「あ……はい」
龍人は人間のように老化することはないと聞いてはいたが、黄龍と黄二の見た目が同級生か黄二の方が年下に見えることに驚きつつ光が返事をすると、青二は彼に囁いた。
「悪いけど、ちょっと3人で話をしたいから、あの子の隣で休んでいてくれないかな。あの子は黄龍の妻の山吹くん」
「はい」
光が素直に頷いて山吹の方に行ってしまうと、3人は龍人語で話し始めた。
「話の前に食事にするか。龍はいないけど、肉は定期的に送られてくる。恐らく青い肉も――」
黄龍が説明を始めた時、青二の通信端末に青龍から着信があった。出てもいいかと目で尋ねて黄龍と黄二が頷くのを確認すると、青二は応答した。
「お久しぶりです、青龍様。勝手な行動でご迷惑をおかけして申し訳ございません」
『青二……』
ため息と共に青龍の映像が現れた。
『そんな他人行儀で心のこもっていない謝罪で済ませる気か?』
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