225人が本棚に入れています
本棚に追加
「もうずっと彼奴ら3人だけでやればいいじゃん。俺なんていてもいなくても変わらない」
「それがそうでもないらしいで。おまえの目が覚めるまで、お預けになってる仕事がある」
「何それ?」
とその時、三郎の部屋の戸が開かれた。
「やっと目覚めたか」
一郎、そして次郎と五郎が帰って来た。四郎は慌てて頭を下げた。
「お帰りなさいませ。ほら三郎、挨拶しいや」
三郎は頭を上げたまま、一郎を真っ直ぐ見て言った。
「俺に出来る仕事があるって聞いたけど」
「ああ。赤い谷跡地の封印だ。4人でも出来ないことはないが、5人の方がいい。体はすっかりいいようだな。今行くか。次郎、五郎、お前達はどうだ?」
「私は問題ありませんが、次郎は……」
五郎は次郎の疲れを心配したが、次郎は平然と答えた。
「私も問題ありません」
「では行くぞ」
一郎は戦士達を連れて赤い谷跡地へ向かった。
一面赤い動植物で覆われていた谷は、茶褐色に変貌していた。沢山あった筈の死骸はなく、枯れ果てた植物が残っているだけだ。一郎はその中心地へと進んで行った。
すると、建物の土台のような大きな石が見えてきた。
近付くとそこにはそれぞれの武器の印が刻まれていた。
最初のコメントを投稿しよう!