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「あれが、あの沼に住む龍だ。翼はないが動きは速いし力も強い。体液はあの沼の水と同じ毒性を持つ」
「そんな龍どうやって倒すんだよ」
「今日の状態では無理だ。暫く雑魚の駆除に専念する」
「え、どういうこと?」
納得しない三郎に、四郎が耳打ちした。
「その間に方法考えるんやろ。黙っとけ」
「四郎!」
「は、はい!」
内緒話の方が一郎の気分を害してしまったかと四郎は慌てたが、一郎は静かに指示を出した。
「おまえは俺とここに残れ。後の者は城へ戻り、訓練場で投げ技だけで龍を倒す訓練をしろ。そうだな……五郎、3時間だ」
「かしこまりました」
3人が行ってしまうと、一郎は不安そうな顔をしている四郎と向き合った。
「訓練場より、ここの方が練習しやすい。おまえはここで練習しろ」
「はあ……」
なら全員ここで練習させればいいのに、何故自分だけ残されたのだろうと思っていると、一郎はそれを見透かして答えた。
「おまえは周囲に気を散らし過ぎる。自分の攻撃に集中出来ていないから狙いが定まらないんだ」
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