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第1章 バーでの出会い
世の中の女性は、危険な雰囲気のする男性程、ダメだと分かっていても好きになってしまうと言う。
でも、私はそういう事とは、無縁の女だと思っていた。
所謂、真面目で堅実タイプ。
将来の設計が、ちゃんとできる人じゃないと、好きにはなれない。
そんな人間だと思っていた。
「倉本。」
「はい。」
私は上司の高藤部長に、呼ばれた。
「この前の書類、見やすかった。また今度も頼むよ。」
「本当ですか!よかった。」
私は、倉本心(ココロ)23歳。
やっと一人前の仕事が、できるようになった気がする社会人2年目。
そして上司の高藤信明さん 28歳。
若いのに、もう部長になっていて、優しくて仕事のできる人。
「そうだ、倉本。今日の夜、時間あるかな。」
「はい、あります。」
「じゃあ、俺に時間くれないかな。」
「分かりました。」
この時は、また残業かなと思っていて、まさかこんな展開になるとは、思っていなかった。
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