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青池 准也 ２２歳。
地方大学の教育学部を卒業して間もなく１年。
教員採用試験に２年連続で落ちたから、今はフリーだ。
県内唯一の国立大学の教育学部を出れば、希望者は全員、県内の公立学校で採用されていいのでは？
そう思うかもしれないけど、少子化と財政難で次々学校が統合、廃校になっている地方の現実。
現役で県に正規教員として採用されるのは、６割程度だと言われてる。
しかも、僕の専攻は音楽。音楽の先生って、普通は学校に一人の配置、特別な場合でもせいぜい二人ぐらいなものだろう。
正規の採用までは、何年も待つというのが普通だ。
まあ親とは同居なので、基本的な生活には困っていないけれど、ただ家にいて試験勉強だけしているのでは申し訳ないから、せめて週に何日かバイトをすることにした。
それで、近くの温泉にあるカフェのスタッフ募集に応募した。主な理由は、一日の勤務時間が比較的短かったから。
びっくりした。
なにがって、早朝５時半に起きると、外はまだ暗いんだ。
しかも、まだ２月上旬だから、外の気温はマイナス７度！ 寒い！！
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