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怒涛のようにドリンクの作り方などなどを習い、器具の収納場所を教えてもらっていたら、あっという間に開店時間の11時半に。
開店と同時にすぐにランチのお客様が何組か来店する。
オーダーをとるのはまだ無理だけど、水を出して挨拶したり、料理を持っていくことぐらいはできた。
あとは、空いた食器をテーブルから下げて片付けること。そして用意できた食後のドリンクを持っていく。
こんな風に書くと、なんだか簡単そうに思えるだろうけど。
これが5つのテーブルで微妙に時間差を置いて進行したとしたらどうか。
1番テーブルに水出して、2番に料理運んで、3番のお皿を下げ、4番はドリンク用意で、5番はお帰りになったから、テーブルの上を完璧に片づけてきれいにする。
これを順序を間違えずに各テーブルで次々こなしていかなくちゃならないんだなあ。
しかも、テーブルは5席じゃない。10席だ。
そして、ほとんどのお客さんがランチ目的で来店するから、午後1時ぐらいまでの短い間に全部集中する。
慣れない僕は、すぐに仕事の順番が読めなくなって、右往左往する羽目になった。
抜けやミスも連発。水やシルバーが出てない、食器が片付いてない、ドリンクが来てない、注文が違うなどなどなど……。
お客様にメニューについて何か聞かれても、わからないから答えられないし。
もちろん、胸元にはしっかり、『研修中』のバッジをつけさせてもらってるので、すぐにわかるスタッフを呼んでいいといわれているけれど。
しかし! お客様は待ったなしだ。
機嫌の悪そうな表情をされると、心臓がバクバクしてパニクリそうになるよ。
そのうちに、気持ちばっかり焦りすぎて、お客さんのテーブルに駆け付けたら、ハアハア息が切れてるようになっちゃった(笑)
お客さんたちも可笑しかっただろうなあ。
いやいや、笑い事じゃない。こっちは命がけなんだから!
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