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◎【結】
自分が怖くて周りの目が恐くて
主人公は自分の寮の部屋から出られなくなる。
そんな主人公の部屋には友人たちが幾度と無く訪れていた。
だがまた怖いと思われることが怖かった主人公は部屋から出られない。
しびれを切らした友人が部屋の扉を壊す勢いでドンドンと扉を叩く。
精霊王もまた、日に日に壊れていく主人公が見るに絶えず
部屋の扉の鍵を開けた。
主人公の胸ぐらをつかむ同じクラスの仲間と
側で泣きそうな目でこちらを見る友人たちに
恐がられると絶望の表情をする主人公に
同じクラスの仲間は殴り付け怒鳴った。
「俺たちを見ろ!!!!!」
そこには主人公を労るような視線を向けている皆は居ても
バケモノを見る目を向けてくる者は誰もいなかった。
「ありがとう」
泣きながら感謝の意を述べれば、
彼らもまたあの時、自分を省みずに助けてくれてありがとう。と
そうして友情を確かめ合う彼らを、端から見て寂しそうに笑う精霊王。
私はもう要らないかもしれないなとその日の夜に
みんなが寝静まった後ベランダで思い耽っていると
主人公が部屋から出てくる。
「いつも俺のことを考えてくれて、本当にありがとう。
俺はエルヴィナが好きだ。こんな不出来な俺でよければ
エルヴィナの側に一緒に居させてくれないか?」
不安そうな主人公の表情とは裏腹に精霊王はポロポロと涙を流す。
慌てて迷惑だったら忘れてくれと言い出す主人公に
忘れたくないですと、一緒にいてください。と
綺麗な笑顔で笑うその瞳から溢れる涙は
とても綺麗だった。
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