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「朔哉……。かわいいで止めときゃいいものを、おもちゃとか……。確かに外れた言いまわしじゃないんだけどそこは一応……」
多田山くんが隣でためいきをついている。
高校に入ってからほとんど治りかけていた赤面症。
宇城くんのせいで完全復活している。
……宇城くんに対してだけは、実は特別なんだ。
激怒りの奏以外はみんなまだゲラゲラ笑っている。
止まない笑いの渦の中、そのままがっくりと首をたれた。
からかわれてもかわし方のスキルも持たない島本波菜、高校二年の十六歳。
不覚です。
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