第1章 残念王子に奇跡の再会

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「朔哉……。かわいいで止めときゃいいものを、おもちゃとか……。確かに外れた言いまわしじゃないんだけどそこは一応……」  多田山くんが隣でためいきをついている。 高校に入ってからほとんど治りかけていた赤面症。 宇城くんのせいで完全復活している。 ……宇城くんに対してだけは、実は特別なんだ。 激怒りの奏以外はみんなまだゲラゲラ笑っている。 止まない笑いの渦の中、そのままがっくりと首をたれた。 からかわれてもかわし方のスキルも持たない島本波菜、高校二年の十六歳。 不覚です。  
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