◇◇◇◇◇2・シンデレラのドレスは72時間◇◇◇◇◇

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 そんなの持って来てないんだけど、二人とも。 「じゃじゃじゃーん!」  宇城くんがわたしの前にぴらりと見せたのは、さっき荷物を入れたコインロッカーの鍵だった。 「えっ? どういうこと?」 「ちゃんと買ったじゃん! アウトレットで二人ぶんのTシャツと、波菜のスカート。あのスカートマジでかわいかったわ。やったぜ、早く見たい」 「!」  あの五百円のTシャツ!  ペアで買ったのかと最初は喜んだのに、宇城くんがなにも言ってくれないから、最終的にわたしはかなり凹んだ。 「行こうぜ。波菜」  自然に出された右手に一瞬戸惑い、でもわたしはそれを握り返した。
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