◇◇◇◇◇2・シンデレラのドレスは72時間◇◇◇◇◇

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「そんなヤワじゃねえよ。脱水してタオルで拭いたらかなり乾いた。撥水加工っぽいの、履いてきてるもん」  用意中東! とかわけのわからないことを呟きながら出口に向かう。 ああ、用意周到って言いたいのか。 単純な言葉の思い違いが多くてみんなにバカバカ言われるのも、もはやわたしにとっては魅力以外の何ものでもない。 「ねえ、このTシャツとか全部買ってもらっちゃったんだからさ。売店で宇城くんのも買おうよ。これはわたし買うから――」  ハーフパンツがいくつもかかっているラックの前で、商品の値札に動作が止まる。 高い! なんだこれ! わたしのお小遣いじゃ無理!  よくよく確認すると、けっこうなスポーツ系ハイブランドだった。 「な? そこの売店たっけーだろ?」 「……うん。アウトレットでわたしのは買ったのに……」 「ちょっと小遣いが危うかった。いいよ。俺が無理に波菜をここに連れてきたようなもんだろ?」
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