397人が本棚に入れています
本棚に追加
/259ページ
きっとまわりのみんなには、彼氏彼女に映っているんだろうなと思うと、嬉しくて誇らしくて、幸せすぎた。
「八月とー、豪邸の魔法じゃないかなー」
きっとこの旅行が終わったら解けちゃうよ。
わたしは宇城くんの横を通り抜けながら、鼻歌を歌うような軽い調子で答えた。
そのまま宇城くんのリュックを背負って食料レジ袋をひとつ持ち、自転車置き場に向かう。
重い登山用リュックはすでに宇城くんが背負っている。
うしろから足音が聞こえないことを不審に思って、わたしがふりかえるのと同時に宇城くんが口を開いた。
「……波菜」
最初のコメントを投稿しよう!