◇◇◇◇◇3. おもちゃのチャチャチャ◇◇◇◇◇

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前から奏には、宇城くんがわたしのことを好きだのなんだのと勝手な推測をされている。 そこにきて二人で遠出をしたら、ペアのTシャツを着て帰ってくる。 そりゃそう思われるのも仕方のないことだ。 全く違うのに。 これはただ、このTシャツが五百円だったから。 アスレチックで池に落ちることが絶対だと思われていたわたしと、それを助けなくちゃならない自分に、できるだけ安いTシャツを買っただけ。 「違うよ、奏。このTシャツにはいろいろわけがあって。簡単に言うと安かったからなんだけど」 「またまたぁー。そうやってると、まるでわっかーい新婚夫婦だよ。ペアのTシャツ着て二人してスーパーのレジ袋下げてさあ。一緒に夕飯の買い物に行きました、って雰囲気ぷんぷん!」
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