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しっ! 新婚っ? ううう……宇城くんとわたしが、しんっこんっ……!
があああああっと、すさまじい濁流のごとき速さで血液が、首筋から頬にのぼっていくのがわかる。
ダメだわたし。
いつも以上に顔が真っ赤だ。
やばいやばいやばい!
さっきまでの重苦しい雰囲気をぶちやぶる陽気さで宇城くんが言い放った。
「うっわー! 見た? 前原。波菜、真っ赤っか! めっちゃ俺のこと意識してるじゃん。こういう顔がかっわいいの! おもちゃみたい! マジで精巧にできてるおもちゃ! かわいすぎる!」
おもちゃみたいで、か、わ、い、い。おもちゃみたいで……かわいい。
宇城くんにしょっちゅうしょっちゅう言われている。なにも今初めて聞かされたセリフじゃない。
だけど実は……実はこのセリフはわたしにとって槍なのだ。
他の人が言うにはそれほどでもない。
まあそうかもね、程度にとらえてスルーできる。
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