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それが、奏と洋くんとわたし、三人の悲しい三角関係の始まりでもあったのだ。
洋くんは、わたしたち二人と同じ習い事をしたり学校が終わってからも遊んだりする傍ら、ひとり空手道場にも通い始めた。
小学校一年の時は身長もクラスで一番小さかった洋くんは、空手で身体を動かしよく食べるようになったせいもあるのか、その後すくすくと成長した。
五年生の時には、身長はクラスで三番目くらいに高くなっていた。
その頃にはもう、教室内で表立ってわたしたち三人が仲良くすることはなかった。
やっぱり洋くんは男子なのだ。
ふだんは男友だちと行動をともにするようになっていた。
それでも、小さい頃からのわたしたち三人の仲は切れなかった。
最初は子供の関係から始まった奏と洋くんとわたしの母親、そのつながりも切れることはなかった。
誰かの誕生日、クリスマスパーティーにハロウィン、忘年会。
事あるごとにみんなで集まって騒いだ。
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