◇◇◇◇◇3. おもちゃのチャチャチャ◇◇◇◇◇

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そして、わたしは、いつの間にか、洋くんを好きになっていた。 幼すぎてその感情を恋だと呼べるのかどうかはわからない。 でも、転校したての頃はわたしと同じように奏に守られてばかりいた洋くんは、いつの頃からか、わたしを守る立ち位置に変わっていた。 自分にはできないことを、この男の子はした。 それがわたしにはとても眩しかった。 その洋くんが小さい頃から何かにつけて言っていたセリフが、「波菜はおもちゃみたいでかわいい」だったんだ。 わたしは赤面症で男子にからかわれることも多いのに、洋くんだけはそれをかわいい、と言ってくれた。 本当にしょっちゅうしょっちゅう、まるで言い聞かせるように繰り返してくれた。 おもちゃみたいでかわいい、と。 今、わたしが宇城くんに言われているように。
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