◇◇◇◇◇4・野獣のバラの枯れるまで◇◇◇◇◇

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巨大なソファが三方向に置いてある、大広間みたいなリビングに集まって、その夜遅くまでウノやトランプのゲームをやっていた。 上は開放的な吹き抜けで、そのまわりに手すり越しの客室が見える。 白っぽいフローリングの真ん中に、ゼブラ柄の変形絨毯が敷いてあってとってもおしゃれだ。 ミニキッチンもついているから、料理好きの森本くんが軽い夜食まで作ってくれるという至れり尽くせり。 ちなみにこんな時こそ活躍させるべき凛子のラグジュアリーな紫花柄バスローブは、いまだ登場していない。さすがに恥ずかしいらしい。  最初の頃こそ宇城くんの様子が気になってチラ見していたけど、みんなで楽しんでいるんだから今は考えないようにしよう、とそっちを向くのを我慢した。  夜が更けるにしたがってみんな疲れも出てくる。 十二時近くになると、ソファにひっくり返ったり絨毯に寝そべったりする人数が増えてきた。 なのに、誰も部屋に戻らない。
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