第1章 残念王子に奇跡の再会

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わたしの待っている教室に奏と凛子がきてくれるまでの数時間、こっそりカーテンの影にかくれるようにしながらサッカーコートを走る一人の男の子を目で追っていた。 身長一七五センチは、高校二年としては高いほうだと思う。 でもサッカー部は長身が多いから、体型としては完全に埋もれる。 なのにわたしの目はその人サーチ能力にとっても優れている。 同じユニフォームを着こんだ選手がどんなに団子状態でボールを追っていても、恐ろしいほど的確にその人にフォーカスを絞ることができてしまう。 誰にも、それこそ一番仲がいい奏にも凛子にも、話したことはないんだけどね。
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