第1章 残念王子に奇跡の再会

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だいぶマシになったとはいえ、男子は苦手だ。 今、宇城くんとか多田山くんとか森本くんとか、クラスの真ん中で伸び伸び高校生活を送る男子と仲良くできるのは、幼なじみの奏がいつもわたしと一緒にいてくれるからだ。 奏は美人で明るくて竹を割ったような性格で、わたしの憧れそのままのような女の子だ。 幼稚園から高校の今に至るまで、ずっとみんなの中心的な位置にいるせいで、自然とその手の男子が寄ってくる。 そうじゃなきゃ、わたしのように地味でめだたなくて、おまけに男子とまともに口もきけないような子が、放課後に男女のグループで群れる、なんて青春っぽいことはできない。 もっとも、しゃべっているのは奏や凛子が多い。 奏や凛子の前でなら普通に話せるものも、男子がその輪に入るととたんに口が重くなってしまう。
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