第1章 残念王子に奇跡の再会

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夏だ!  梅雨明け宣言もまだなのにすでに温度は圧倒的な夏!  テストも終わり、終了式を終えれば高校二年の夏休みが始まる。 「宇城は顔だけなら超絶にいいんだから、もう顔で推しなよ、顔で!」  男女六人で教室の机や椅子に腰かけて話す放課後、奏がそんな失礼千万なことを宇城朔哉くんに対して言い放つ。 二年三組の教室は西日が大量に入り、遅い時間のほうが明るいくらいだ。 「前原、それはめっちゃ朔哉に対して無礼だぞ。……当たってるだけに」  ぎゃはは、と豪快に笑う多田山くんのほうがよっぽど失礼かも。 ちなみに多田山くん、多田山結人くんは宇城くんの親友だ。 「マジだ! それは逆に言えば朔哉には顔以外いいとこがない、って断言してるようなもんじゃん」
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