第1章 残念王子に奇跡の再会

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でも一番の問題は今でも微妙に治っていない赤面症にある。 かなり良くなってきているとはいえ、全くなくなったかと問われれば残念だけどそれはない。 小学校中学校と授業中、手をあげて発言するのがめちゃくちゃ苦手だった。 起立や礼の号令をかけなきゃいけない日直は憂鬱の極み。 いちいち真っ赤になって口ごもるわたしに、男子は容赦なくからかいの言葉を浴びせたものだ。小学校の時のあだ名なんてユデダコだったもん。 面倒だっただろうに、わたしをからかう男子をいちいち蹴散らしてくれたのが奏だ。 男子も高校に入ったとたん、ぐっと大人びてきたみたいで、今ではわたしが赤くなって口ごもることがあってもスルーしてくれる。(宇城くん除く) だからこの日向坂高校も二年目になった今、わたしは少しずつ男の子に対して免疫がついてきた。
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