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「あの……ごめんなさい。わたしすごく余計なことしたみたいで……」
事務室の前の廊下でわたしは男の子に頭を下げた。
「いんや、こっちこそごめんな。俺が消しゴム忘れたりしたから、君を巻き込んじゃって。てかすごいよね」
「え?」
「あの状況で困ってる人に消しゴム貸そうとするなんて。めっちゃ勇気あるなと、俺感動したわ」
「えっ?」
わたしは目をみはった。
勇気?
感動?
わたしが人にそんなものを与えたりできるの?
でもそうだ。わたしの今日の行動に一番驚いているのは、まぎれもない自分自身。
わたしのどこにこんな勇気が眠っていたのかと仰天している。わたしって、もしかしてやればできる子?
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