第1章 残念王子に奇跡の再会

30/40

401人が本棚に入れています
本棚に追加
/259ページ
 引っ込み思案でなんのとりえもないわたし。 もちろん自分に自信なんか持てない。 運動神経もよくないから、小学生の頃は鬼ごっこで延々鬼だったり、ドッジボールですぐ当たってチームメイト、特に男子に舌打ちされたりしていた。 失敗すると赤面しちゃうのを笑われるだけじゃすまない。 まだ小学生は男子のほうが幼くて、その場の感情に支配されがちだった。 口汚く攻め立てるのは男子が多い。 それもわたしが男子を苦手になってしまった理由のひとつだ。 そういう男子との間に仁王立ちし、突き飛ばす勢いでわたしを守ってくれていたのが女の子である奏。 小さい頃から頼りになるのは男子じゃなくて、正義感の強い女の子の友だちだと刷り込まれてきたところがある。
/259ページ

最初のコメントを投稿しよう!

401人が本棚に入れています
本棚に追加