第1章 残念王子に奇跡の再会

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それにしても……。 わたしがこんなに勇気を出したのは小学校五年のあの時以来。 相手はあの時と同じように男子。 なけなしの自信と奮い立たせた勇気を全否定され、わたしの小さな世界を根底からひっくり返す結果になってしまったあの四年前の事件を思い出す。 あれから、子供心に身の程知らずな行動は決してすまいと誓った。 いろんな要因で男子が苦手だ。 でもできれば避けて通りたいとまで萎縮してしまったのは、確実にあの出来事にある。 でもでも。 今、わたしが勇気を出したことを、同じ男子であるこの子が認めてくれた。なんだかとても不思議だ。 「第一志望、どこ?」
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