第1章 残念王子に奇跡の再会

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参加前に男子同士でした何かの賭けに負けた宇城くんは、私服が全部、ネクタイつきのスーツだった。 クラス対抗のレクリエーションリレーは、おそろしいことにビジネスシューズで走ったのだ。 いくら約束とはいえ、まさか本当に実行するとは!  ふざけて賭けをした友だち含め、みんながみんな、唖然としてしまった。 宇城くんは人と感覚がズレすぎているために、男子の仲間内でもいじられキャラ的な部分がある。 なのに、そもそものスペックが高いことと、本人が〝動じない気にしない〟を徹底しているから、却って一目置かれ、軽く見られることはない。 ある種非常に不思議な存在だった。
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