◇◇◇◇◇2・シンデレラのドレスは72時間◇◇◇◇◇

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奏の弟の涼くんはまだ四歳。 幼稚園の年中さん。 四歳でロンダードができるなんてそれはすごい。 姉に似て運動神経抜群だな。 だけど確かに、いきなりあれをやられたところで、女の子はぽかんとするだけだろう。 かっこいいアピールをしたいんだと、まわりの大人にはわかる。 めちゃくちゃかわいいし微笑ましい。 だけど……。 「そのうち、ちゃんと言葉で誘ってきた男の子にその女の子はかっさらわれて、二人で行っちゃってさ。いいとこ見せようと頑張った涼は、地べたにお尻と両手をついて走り去る二人を見送ってるの。もう……姉として哀れで哀れで」  奏はハンカチで涙を拭くまねをした。 「確かにそれは想像するだけで切ないよ」 「涼と宇城はレベルが同じなんだよね」 「え? どういうこと?」
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