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奏の弟の涼くんはまだ四歳。
幼稚園の年中さん。
四歳でロンダードができるなんてそれはすごい。
姉に似て運動神経抜群だな。
だけど確かに、いきなりあれをやられたところで、女の子はぽかんとするだけだろう。
かっこいいアピールをしたいんだと、まわりの大人にはわかる。
めちゃくちゃかわいいし微笑ましい。
だけど……。
「そのうち、ちゃんと言葉で誘ってきた男の子にその女の子はかっさらわれて、二人で行っちゃってさ。いいとこ見せようと頑張った涼は、地べたにお尻と両手をついて走り去る二人を見送ってるの。もう……姉として哀れで哀れで」
奏はハンカチで涙を拭くまねをした。
「確かにそれは想像するだけで切ないよ」
「涼と宇城はレベルが同じなんだよね」
「え? どういうこと?」
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