◇◇◇◇◇2・シンデレラのドレスは72時間◇◇◇◇◇

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「だからその、見当はずれの携帯画像だよ。モデルばりの、送られてきた数十枚の写真」 「…………」  わたしは制服のスカートのポケットに入っている携帯を、上から押さえた。 「ね? 波菜だって理解できないでしょ? でも涼と一緒で、宇城は一番かっこいい、って人に言われたもので猛烈アピールしてるんだって」 「なるほどねー。あいつバカだもんね」  凛子がチャチャをいれる。 「別に宇城くんはバカじゃないでしょ? そりゃ成績はよくないけど、機転が利くっていうか、瞬時の判断ができるっていうか……。とにかく頭が悪いわけじゃないよ」  宇城くんはここ日向坂高校に補欠で入学している。 そんなこと黙っていればわからないのに、真正直に口にするからいつの間にかみんなが知っている。 「『成績はよくない』じゃなくて『めっちゃ悪い』だね」  奏の言葉に猛烈な反論をする。
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