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「だからその、見当はずれの携帯画像だよ。モデルばりの、送られてきた数十枚の写真」
「…………」
わたしは制服のスカートのポケットに入っている携帯を、上から押さえた。
「ね? 波菜だって理解できないでしょ? でも涼と一緒で、宇城は一番かっこいい、って人に言われたもので猛烈アピールしてるんだって」
「なるほどねー。あいつバカだもんね」
凛子がチャチャをいれる。
「別に宇城くんはバカじゃないでしょ? そりゃ成績はよくないけど、機転が利くっていうか、瞬時の判断ができるっていうか……。とにかく頭が悪いわけじゃないよ」
宇城くんはここ日向坂高校に補欠で入学している。
そんなこと黙っていればわからないのに、真正直に口にするからいつの間にかみんなが知っている。
「『成績はよくない』じゃなくて『めっちゃ悪い』だね」
奏の言葉に猛烈な反論をする。
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