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大喜びする奏と凛子を眺めながら、複雑な気持ちになる。
とくに多田山くんのことが気になっているらしい奏にとっては、二泊三日もこんな素敵な別荘で一緒に過ごせるなんて、夢のようなんだろう。
進展するといいな。
複雑なわりにはわたしも充分ウキウキしているか。
例えばきっと、奏が多田山くんに惹かれていなくたって、結局わたしは自分の欲望に負けてこの旅行をOKしてしまったような気がする。奏のせいにするなんてよくない。
でも奏は未来があっていいな。
好かれるかもしれない可能性があっていいな。
奏も凛子も、宇城くんがわたしを気に入っている、なんてお気楽な勘違いをしている。そんなわけはないのだ。
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