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そんな声はわたしにとってはどうでもよかった。
宇城くんはわたしにとって絶対的なヒーローだった。
でも入学してから偶然知ってしまった事実がある。
宇城くんがわたしをからかったりちょっかいを出したりするのは、別に好きだからだというわけじゃないのだ。
あれは入学から半年くらいたった一年の夏休み明けだった。
クラスで仲良くしていた明美ちゃんがサッカー部のマネージャーをやっていた。
その子から、わたしにとっては決定的なダメージになる話を聞いてしまった。
放課後遅く、ほとんどの部活が終わった時間、わたしは教室にまだ残っていた。
奏のバスケ部が終わるのを待っていたのだ。
サッカー部の終わった明美ちゃんが、持ち帰らなくちゃいけない宿題を忘れて、それを取りに教室に戻ってきた。
その時に聞いた話。
教室にはわたしと明美ちゃんしかいなかった。
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